荒野のコトブキ飛行隊第12話 F-86セイバー自衛隊でも使われた機体

アニメのメカ

荒野のコトブキ飛行隊で登場する飛行機の中で全く異質な機体がこのアメリカ合衆国のジェット戦闘機ノースアメリカンF-86セイバーだ

自衛隊で使用されたのは310機を国産化したF型が主だがコトブキ飛行隊で登場したのは98機だけ導入されたD型だそうだ

F-86セイバーの実戦は1950年12月になってからだから第2次世界大戦の機体ではない

ただしこの機体はドイツから手に入れた技術で成り立っている

ドイツはすでにメッサーシュミットM262ジェット戦闘機を第2次世界大戦で実戦投入していたがジェットエンジンの完成度は低く稼働時間は30時間から50時間程だという

当初ジェットエンジンはユンカース・ユモ004Aが搭載されヒトラーの命令で爆撃機としてデビューしているが、せっかくの高速性能も重い爆弾を搭載する事で帳消しになり急遽戦闘機に作り直しとなった

この遅れが後を引き十分な戦果を挙げず敗戦となる

アメリカは敗戦のドイツよりジェットやロケット技術を資料、技術者ごとソ連と争うように持ち帰り開発に注力した

その中のひとつがジェットエンジンを搭載し後退翼を持つこのF-86セイバーだ

コンセプトは制空戦闘機

ノースアメリカン社は傑作機P-51マスタングを産み出した会社だ

P-51と同じく制空戦闘機としてF-86は開発された為、空戦能力はピカイチで防空戦闘機のソ連ミグ15を圧倒していた

搭載されたジェットエンジンはシボレー製J47-GE-1でこれがF-86Aとなる

武装は12.7mmのM3機銃を6門装備して各300発を搭載する

パイロンに5インチロケット弾を装備

レシプロ機では到底太刀打ち出来ない速度と重武装とF-86Fには負ける要素が無い

ノースアメリカンF-86セイバーはF型になってから航空自衛隊にて初の主力戦闘機となった

日本で活躍した飛行機としてなら間違いない

F-86Fが設計されたのは1950年になってからで、この時にはジェットエンジンの燃料制御に総合電子燃料官制が取り入れられておりパイロットの負担軽減が図られたJE47-GE-27ジェットエンジンが搭載された

それより以前のF-86D型ではJE47-GE-17ジェットエンジンが搭載されていてコレの改良型がJE47-GE-27になった

ストーリー中ではロケット弾攻撃がなされていたがF-86Dには火器管制装置が搭載されていて有効距離2400mで使用出来る距離もロケット弾だと1400m程になり市街戦でなら十分有効打を与える事が可能だ

ただしこのF-86セイバーの時代は誘導ミサイルが開発されるまでは空戦は機関砲での戦闘が中心でありロケット弾攻撃は一斉射撃で行い単発での使用では戦果を挙げるには力不足に思える

このF-86DはほかのF-86とは似ていても中身は別物というべき機体で燃料タンクの増量がされ、アフターバーナーまで搭載された為、胴体が太い

機首の大型レドームも大きく前に突き出している

機銃は無く胴体下部に2.75インチロケット弾24発の弾装を引き込み式にして搭載しておりこれがコトブキ飛行隊を襲っていた

全天候型戦闘機で機密の塊だった為、F型よりだいぶ遅れて導入されたそうだ

F-86Dのコンセプトは爆撃機迎撃だ

ここにコトブキ飛行隊の付け入る隙があったと言う事だろう

 

 

 

 

 

 

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