荒野のコトブキ飛行隊第11話 5式戦闘機 身の丈に合った名機

アニメのメカ

川崎航空機製の日本陸軍キ61 2型改 3式2型戦闘機飛燕に搭載された川崎製液冷エンジンハ140は次から次へとトラブルを起こしあまりに完成度が低くかった

機体の完成はしても取り付けるエンジンが無いという有様で陸軍が諦めるのは時間の問題だった

決定は大分遅れたが次に選んだエンジンは空冷式となった

三菱のハ112-2型(海軍名 金星62型)が選択される

このエンジンは金星型の系列で空冷2重星型14気筒1350馬力と液冷ハ140の1250馬力と出力は変わらない

問題は液冷エンジンを搭載する為に細く作られた機体に直径のでかいエンジンを搭載すれば空気抵抗は増えて最高速度は落ちるわけだが整備性が良くなることで良しとした

空冷式エンジンから液冷エンジンへの換装は他国行われていたが逆はあまり前例が無い

その中でも有名なのはドイツのフォッケウルフFw190で液冷も空冷もどちらも搭載できるよう設計されていた

このフォッケウルフFw190の空冷エンジンBMW139が搭載された機体が当時日本にあったため参考にされたようだ

搭載されたエンジンが違うだけで空冷式のフォッケウルフFw190は液冷式のスマートなスタイルより武骨で勇ましく見える

短期間で空冷式エンジンに改造された機体がキ100  5式戦闘機と呼ばれた

細身の3式戦闘機に対して空冷式エンジンを搭載した5式戦闘機はカウリングが太くなってはいるもののとても綺麗にまとまっている

完成した日本陸軍5式戦闘機1型は液冷エンジンの3式戦闘機に対して30km/h程速度が低下したが空冷エンジンにした事で冷却器がなくなりエンジンも軽量のため3式戦闘機に対して300kg以上軽量化されたので結果的には総合性能は向上している

海軍も同じエンジンを搭載して零式艦上戦闘機54型丙を完成させているが元になる零式艦上戦闘機の設計が古い為か性能では陸軍の5式戦闘機には到底及ばず300kg以上重いにもかかわらず5式戦闘機は最高速度10km/h早く急降下速度も200km/h弱早い

零式艦上戦闘機に1350馬力のエンジンを搭載するには機体の強度が足りないのだろう

5式戦闘機の武装は3式戦闘機と同じく20mm機関砲×2  12.7mm×2の重武装で強力だ

2型になると高高度性能を上げる為に排気タービン過給器を搭載したハ112-2型ルに換装して150kg程重量は増えたが1万mまで18分で上昇できたが終戦に間に合わなかった

3式戦闘機飛燕の液冷エンジンの前面投影面積狭さこそが利点だと技術陣は思っていただろうし陸軍は液冷エンジンを諦めたくないと思っていた為に名機5式戦闘機の誕生は遅れて満足な戦果は挙げていない

総合的な技術力が不足している日本で複雑で高性能な液冷エンジンは身の丈に合っていないものだったと言わざる得ない

広い視野で日本国内の工業力を見ていたらと思わせる5式戦闘機の登場だった

 

 

 

 

 

 

 

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