YAMAHA YZF-R1冬を走る

現実のメカ

冬、日曜日の早朝

車体カバーを外すと青いカウリングにうっすら水滴がついているのが乾いていくのがわかる

防犯用のチェーンをホイールが傷つかないように外す

車体を起こしてゆっくり動かしてみる

特に異音は無い

前に防犯チェーンを外さずに動かそうとした事がある

歳とともに忘れっぽくなった

車体周りをぐるっと回って何か異常がないか確認してみる

1999年製造の少しばかり古くなった車体だ

もう少しで20年の付き合いだ

チョークを引いてキーを差し込みON にする

燃料ポンプのカチカチという音がいつもより多い

2週間ぶりの始動だ

セルボタンを押す

長めのクランキングの後にエンジンが目覚めた

アクラポビッチのスリップオンから爆音が響いてくる

回転が上がるとチョークを少し戻して安定するまで待ちチョークを戻しきって暖機する

水温計はLOから42度程になりR1へまたがった

サイドスタンドをはらい1速にギアをいれるとガチャンという音とショックが響いてくる

これだけが唯一の欠点だと思っている

クラッチをゆっくり繋いでスルスルと走り出す

タイヤはブリジストンバトラックスS21だ

温度依存性の高くないタイヤのお陰でこの寒さでも安心して走れる

空気圧は前後共2.5kPaだ

最近のスーパースポーツだと後輪は2.9kPaが多い

タイヤのサイドは硬くなり空気圧は高くなりサスペンションは高荷重対応になりで乗り心地もだいぶ硬い

それらと比べると乗り心地の柔らかさが丁度良い

リアサスペンションはオーリンズに交換したがバネ定数を7.5kg/mmと純正と同じ硬さにしたので乗り心地は変わらない

しかし寒い時期の走り出しはサスペンションのオイルも硬いので早い動きには対応できないのか乗り心地は少し硬い

ゆっくりと市街地を走りながらあらゆる部分を温めていく

数分後には山の中に入っていく

路面は荒れているがサスペンションのオイルもタイヤも温まっているので路面の追従性は良い

S字を切り替えしていくと可倒式のステップが内側に倒れて足の裏にくっ付いてくる

公道のみの使用の為、固定式になるアフターパーツのバックステップは必要を感じないがステップの滑り止めが丸くなって靴底が滑りそうになって来たら交換している

1000ccもある排気量では高い回転数まで回すことが無いので低いギアでも7000回転ぐらいでとんでもない速さになってしまう

寒さで指がかじかむと指での操作が雑になって車体のピッチングが急激になりドタバタした走りになる

耐寒グローブだと布地が厚くて指の感覚が鈍くなりやはり細かい操作がしにくい

まったく冬場のバイクは乗りずらいものだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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