今日はお前と出かけよう
そう意気揚々と装具を整えライムグリーンの相棒にまたがるとキーをONにしてチョークをひいたまま小さなキックペダルを思い切り蹴りおろす
真夏なら一発で2サイクルエンジンの軽やかな音が聴こえてくるが真冬の早朝、こいつはスコッと言ったきり黙り込む
何度か蹴りつずけてみるがエンジンがかかりそうに無い
まったく可愛い奴だ
Kawasaki KSR80は水冷の2サイクル2ストローク80ccのエンジンを搭載している
こいつは1998年製で中古で15年前に購入したものでだいぶくたびれている
ブロックタイヤが純正だったがいまはロードタイヤに交換してある
グリップがしっかりした感じがあり舗装路を走る事が多い為この方が良かったと思う
寒い日には空気圧は下がりやすく頻繁に調整しないといけない
フロント1.25リア1.5は12インチタイヤの小径だと調整しにくい
右側のカウルを取り外しプラグを取り外してみた
端子はガソリンで濡れていて確かにエンジンはかかりそうにない
ペーパータオルをプラグホールに当ててキックペダルを手で何度か下ろしてみた
カポカポという音がしてペーパータオルを通して空気が排出される
20回程これを繰り返しシリンダー内を乾かしてみる
取り外したプラグを清掃しプラグコードに取り付けエンジンのボルトに接触させてキックペダルを手で降ろし火花が飛ぶのを確認した
プラグをプラグホールにねじ込みプラグコードを取り付けてチョークを引き、足でキックペダルを蹴りおろした
最初のキックで始動しなかったらまた最初からやり直しだ
期待は裏切られずエンジンは始動した
真っ白な排気ガスがマフラーの先端から出てくる
パンパンパンと軽やかに回るこの音こそが2サイクル2ストロークエンジンの魅力だろう
しばらくすると白い排気は透明になりアイドリングが安定した
ゆっくりと走り出す
しばらくして思いっきりスロットルを開けてみると途中で失速したあと加速していく
エンジンから詰まった感じが抜けてどこまでも回っていきそうだ
急ブレーキは禁物だ。ホイールベースが短い為フロントブレーキよりリアブレーキを先にかけておかないとピッチングが大きく前転しそうになる
リアサスペンションの伸び側減衰は少し弱い
フロントサスペンションも減衰が弱く早い動きにはついてこない為、荒れた路面だと乗り心地は悪い
綺麗な路面を高速で走るとリアの滑りだしは分かりやすく雨の日でも安心して走れる
KSR80はどんな天候でも安心して走れる市街地最速のオートバイだ
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