大戦中の戦闘機に空冷と液冷のレシプロエンジンの2種類があるがこの川崎航空機製日本陸軍液冷式戦闘機飛燕に搭載されていたエンジンは液冷ハー40で1100馬力を発生した
この当時は液冷エンジンの完成度が低く日本軍が戦闘機に使用したのが飛燕のみだった
飛燕の正式名称はキー61 三式戦闘機
のちにエンジンを空冷エンジンに換装したキー100 五式戦闘機に改造して速度は低下したが300kgほど機体は軽くなっているので飛燕より性能は良かったのではないだろうか
この飛燕に搭載されていた液冷エンジン ハー40は川崎航空機が1939年にダイムラーベンツのDB601のライセンス生産取得後に設計し直したものだ
日本海軍向けの液冷エンジンは愛知航空機が開発していて一三試ホ号と呼ばれており海軍局地戦闘機雷電のエンジンとして候補に上がっていたが断念されのちに二式艦上偵察機彗星に搭載された
オリジナルの倒立V型12気筒DB601は直列6気筒エンジンを逆V型に配置してクランクシャフトを回している
これはイギリスのロールスロイス社のマリーンエンジンが直列6気筒エンジンをV型に並べて回している普通の構造とはかなり違いがある
33.9リットルの排気量があり鋳造ブロックを比率グリサンチン50、防錆油3、水47の混合液で冷却している
ボッシュ製直接燃料噴射装置で急降下等のGによる性能低下を防いでいる
この複雑な機構をみていると稼働率が低くなるのもうなずける
この時代に電子制御無しでこんなものを作り出していたことに感動を覚える
液冷エンジンのメリットに前面投影面積が小さく出力が同じなら空冷より20パーセントほど下げられるのでスピードは高いと思われているが冷却システムのおかげで重量がかさみ6パーセント程しか上がらないそうだ
飛燕を前面から見てみると胴体下面にでかいラジエーターが配置されていて特徴的だが大戦中のアメリカ軍が使用したノースアメリカンP51ムスタングもこの位置にラジエーターがあったため見間違いもあった
飛燕の武装は胴体内と翼内にホ一103 12.7mm機関砲を搭載している
これは油圧操作式で故障しやすかった為、翼内の機関砲を電気操作式のドイツのマウザー20mm機関砲に換装したものもあった
のちに日本陸軍は胴体内にも20mm機関砲搭載を命じる
炸薬入りの弾頭をプロペラに当てたら即墜落の危険を犯してでもここに機関砲を搭載した為、発射連動装置の開発には苦労したそうだ
当時の最新技術のかたまりの様な機体三式戦闘機飛燕
ストーリー中ではあっという間に落とされていくが大好きな飛行機のひとつだ!
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