イサオの執事が操る大型の戦闘機
全備重量5100kgにもなる
日本陸軍が川崎航空機に作らせたものだ
キ64試作高速戦闘機と呼ばれる
ドッグファイトによる戦闘から高速を生かした一撃離脱による戦闘に移行していく時期に高速戦闘機を目的として開発された機体だ
日本軍のパイロットは運動性を生かして戦闘を行うことを良しとしていた時期に高速の重戦闘機を開発しようとしていたことは先見の明があったのだろう
目標は最高速度700km/hで重武装とされた
この時期のエンジン出力は1000馬力程度の為この速度を達成しようとすると双発でないと足りないのだが双発化すると前面投影面積が大きくなり速度が出ない
それでどうしたかと言うとエンジンを2機前後に積んでシャフトで繋いで前のプロペラを回したのだ
コックピットの前後にエンジンがありおそらく後部のエンジンはコックピット下の為、 機体に伝わる振動は相当なものだろう
ドイツ軍でもドルニエDo335V1作られたが、これはエンジンを2機積んで前後を独立してプロペラを回していた
キ64試作戦闘機に選ばれたエンジンは液冷エンジンのハ201(ハ72-11)で倒立V串型24気筒2000馬力になる
川崎航空機は液冷エンジンで先行していた愛知時計電機のアツタ型に遅れてドイツのダイムラー・ベンツ製DB601の国産化に成功した
液冷エンジンの為にエンジンの前面投影面積は狭いがエンジンの冷却の為に機体外側にでかいラジエターや冷却する空気を取り入れる吸入口が装備されるので高速化を邪魔する
キ64高速戦闘機ではラジエターを使わず機体の外装や翼面に冷却水を通す配管を設置して冷却水を冷やす蒸気式表面冷却法を採用する
これによって機体の突起物を最小限に出来て空気抵抗を下げられた
液冷エンジンでのラジエターの損傷は即エンジン故障につながるが蒸気式表面冷却法ならしばらく飛行が出来ると思われがちだがドイツのハインケルHe117にこの蒸気式表面冷却法は使われようとして実戦機にそぐわないと却下された経緯がある
プロペラは大トルクに対応するために2重反転プロペラを採用し前側のプロペラは固定で後側が2段可変になっている
武装は20mm機関砲が2か4丁
最新技術の塊の様な機体で整備性はかなり悪くなるだろう
意欲的な構想だが日本の技術力ではいささか欲張りすぎだろう
イサオが操る震電と共に戦闘を行うならそれ相応の高速機が必要だろうから最大速度690km/hにもなるキ64高速戦闘機は最適だったろう
執事にはもってこいの機体だと思う
コメント