中島航空機の超大型戦略爆撃機 中島G10N 富嶽
エンジンは空冷4重星型36気筒5200馬力 ハ-54を6機搭載して680km/hで飛行する全装備重量160トン 爆弾搭載量20トンの巨大な機体がストーリー上に登場した
想像上の機体のために他の戦闘機程のリアリティがまったく無い残念な登場だった
アメリカ軍ですら3500馬力が最大出力の上限の時期に5000馬力超えのエンジンなど出来もしない
エンジンの元になったのはハ-44 星型18気筒で2450馬力を発生する
このエンジンをタンデムで使用して5000馬力を発生させようとした
9気筒が4列にもなるエンジンなど空冷で簡単に冷却出来るものではない
耐久試験前の仕様では強制冷却ファンがエンジン前に装備されていたようだ
耐久試験の前に開発は中止されてしまった為、搭載する機体も想像図しかなくアニメでは細かな設定や表現が出来なかったのだろう
10話の最高のシーンは富嶽撃墜に使用された装備だろう
富嶽の上空に広がる散弾の光
3式1番28号爆弾 3式ロケット爆弾の散弾が富嶽を撃墜していく
散弾は1発に135個入っていて爆発で100m程に拡散して上から降り注ぐ
射程は500m速度は400m/sで的中は半径9mに誤差がある
元は上空から落とす爆弾だったがアメリカ軍はすぐに避けるようになった為、爆弾に93式1号無煙火薬を使用したロケットを取り付け空中で発射出来る様にしたものだ
日本海軍が使用したもので零戦52型丙、54型丙の翼の下にレールをはめ込み左右に2発ずつ搭載した
日本陸軍にはこの装備は無く実際の隼には搭載されていないだろう
富嶽の下から隼が補助動力を使用して富嶽の上に出るシーンがある
使用したのは艦上攻撃機や艦上爆撃機が離艦する時に取り付けられる離艦促進ロケットだ
これも93式1号無煙火薬を使用した日本海軍のロケットだ
日本海軍のロケット技術は火薬による固体ロケットエンジンで、その為日本陸軍は薬剤を使用した液体ロケットエンジンの開発を担当した
離艦促進ロケットは艦上攻撃機天山12型に緊急時のロケット増速装置があり海軍の装備だ
ロケット爆弾もロケット増速装置も実際には成果をあまり上げていない
現代のコンポジット推薬に対してあまりにも性能が低くすぎるのだ
アニメでも最後は富嶽の機体の翼の付け根に銃撃を与えて撃墜していたが実際でもこの方法が確実だった様だ
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